2024/06/12
溶連菌の流行咽頭溶連菌感染症を発症するお子様が増えております。 また、日本全国では劇症型溶連菌感染症の増加が止まらず、人口が多い地域の大学病院などでは連日のように入院・手術患者が発生しているようです。 いずれの疾患もA群溶血性連鎖球菌という細菌が原因ですが、発症するかどうかはあくまでも感染した方の免疫状態に依存するようです。溶連菌自体は人間ののどに普通に存在する菌であり、いたずらに恐れる必要はありません。 咽頭に感染する溶連菌は自然軽快することもしばしば見られます。自然軽快する時は後遺症なども過度に心配する必要はありません。軽快後の治療も必要ありません。人によっては抗菌剤による治療をしないと1週間以上も熱が出続けることがありますので、熱がなかなか下がらない時は早めにご受診ください。 劇症型溶連菌感染症の患者さんは、私が研修医の時に1例だけ経験いたしました。「痛い痛い」と言いながら半日あまりであっという間に亡くなられ、死後の病理解剖で死因が判明しました。医師になってまだ数ヶ月しか経ってない時の経験であり、今でも鮮明に覚えております。診断の非常に難しい病気ですが、原因不明の痛みが数時間の経過で広がる時には、この病気かもしれません。速やかに救急車を呼ぶことをお勧めします。小児科医としては幸いなことに、小児の重症例はまれなようです。 大人は誰でもかかりうる病気ですので、お互い気をつけて参りましょう。 |