2024/11/06
慢性咳嗽 咳喘息、アトピー咳嗽など
慢性咳嗽とは8週間以上持続する咳のことです。3週間以内の咳を急性咳嗽、3−8週間続く咳のことは遷延性咳嗽と呼びます。
成人の慢性咳嗽の原因としては咳喘息が最も多いです。そのうち30-40%の方には喘鳴が出現し、典型的な喘息に移行します。他の原因としてはアトピー咳嗽が多く、特に中年の女性に多くみられます。
咳喘息は喘鳴を伴わない咳嗽が8週間以上続き、気管支拡張薬が有効であれば診断できますが、喫煙者ではCOPDなどとの鑑別が必要になります。血液中の好酸球の増多や、呼気一酸化窒素の濃度測定なども診断の手助けとなります。
アトピー咳嗽では気管支拡張薬は無効であり、喉の痒みなどが特徴的です。
咳喘息の治療には主に喘息と同じような治療が行われます。吸入ステロイドや、気管支拡張薬の吸入です。アトピー咳嗽の場合は抗ヒスタミン薬の内服が第一選択ですが、60%程度の方にしか効かないため、吸入ステロイドを追加することもよく行われます。
いずれの疾患でも喫煙や気温、気圧の変化、ストレス、運動などが誘因となりますので、うまく原因を回避しながら生活する工夫も大事になります。
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