2023/06/09
アトピー性皮膚炎ガイドライン1アトピー性皮膚炎の定義・概念 アトピー性皮膚炎は、よくなったり悪くなったりを繰り返す、かゆみのある湿疹が主な症状です。湿疹は左右対称に現れて、患者さんの多くは「アトピー素因」を持ちます。血縁者に気管支喘息、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、アトピー性皮膚炎にかかったことがある人の頻度が高ければ、アトピー素因があると言われます。また、ご本人がそれらの病気にかかったことがあるかどうかも重要な情報です。
乳児期(2歳未満)のアトピー性皮膚炎の特徴 乳児早期には、ほほ、ひたい、あたまなどから皮膚の乾燥が起こり、やがて潮紅と呼ばれる一過性の赤みを生じることが特徴です。やがて丘疹が出現しますと掻きむしりはじめ、皮膚が湿っぽくなりかさぶたが生じます。皮疹が広がりますと耳、口、ほほ、あごなど顔全体に及びます。顔の皮疹に遅れてから首や手足の擦れる箇所に滲出性紅斑と呼ばれる赤みが生じ、やがて体全体に広がります。
幼児期から学童期にかけては、顔の皮疹は減少します。かわりにくび、わきの下、ひじやひざの裏側、そけい部、手首や足首の皮疹が目立つようになります。重症な場合は顔や四肢に皮疹が広がって掻きむしるため、その部位に苔癬化とよばれる皮膚が厚くなった状態がみられます。
思春期以降は顔、くび、胸、背中など、上半身に皮疹が強く出る傾向がみられます。 |