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かづのファミリークリニック

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2025/02/11

いわゆる「かぜ」について

かぜは医学用語では急性上気道炎や急性気管支炎と呼ばれる疾患であり、まとめて急性気道感染症と呼ばれることもあります。

原因微生物の9割はライノウイルスや季節性コロナウイルスといったウイルスであり、細菌が関与するものは1割程度です。細菌で代表的なものはA群溶連菌、マイコプラズマ、クラミジアなどです。

かぜの中でも鼻汁や鼻閉を主症状とするものは急性副鼻腔炎と呼ばれます。ほとんどがウイルス性であり、細菌性副鼻腔炎となるものは2%未満にすぎません。よって、ほとんどの急性副鼻腔炎ではいきなり抗生剤を必要とすることはありません。

のどの痛みを主症状とするものは急性咽頭炎と呼ばれます。これも原因の大半はウイルスですが、ときにA群溶連菌が原因のものがありますので、的確な診察と検査が重要になります。溶連菌であれば抗生剤がとても有効です。

咳が主症状であり、急性副鼻腔炎や肺炎がないものを急性気管支炎と呼びます。原因の90%以上はウイルスです。咳が長引くときは肺炎や百日咳、結核を念頭において診察や検査を行います。また、喘息の可能性も高くなります。

上記いずれの病態でも、いきなり抗生剤を出すことは副作用や耐性菌増加のリスクの観点からデメリットが大きく、現在のガイドラインでは全く支持されていません。寝ていれば治るというのも一つの真実ですが、時に急性喉頭蓋炎、扁桃周囲膿瘍、咽後膿瘍のようにすぐに耳鼻科で診断しないと命に関わる病気や、急性心筋梗塞などの緊急性の高い疾患が隠れていることもあります。いつもと違う、おかしいなと感じましたら、医師に診てもらうことを躊躇しないようにしましょう。

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